保健指導 「生命(いのち)の安全教育」

日常 2025.05.19

プール保育や内科検診の前に、「生命(いのち)の安全教育」として、年中組・年長組の子どもたちにプライベートゾーンのお話をしました。

命(いのち)の安全教育とは

令和2年に内閣府男女共同参画局で「性犯罪・性暴力対策の強化の方針」が決定したことを受け、文部科学省が行うことになった課題の一つです。令和3年4月には文部科学省より「子どもたちを性暴力の被害者、加害者、傍観者にしないための教育」の教材と指導の手引きが公表され、令和5年の4月からは、全国の園・小学校・中学校・高等学校において、この命の安全教育の学びが始まりました。ちなみに、文部科学省のホームページ「生命(いのち)の安全教育」の教材は、どなたでも視聴することができます。家庭での性教育に自信が持てないとき、お子さんの性的興味の対応に困ったときは、是非参考にしていただければと思います。

プライベートゾーンとは

聞きなれない方も多いかと思いますが、アメリカで発祥した言葉で、「他人に見せても触らせてもいけない、性的に関係のある、自分だけの体の大切な場所」とされています。

もちろん、プライベートゾーン以外にも、自分の体は全部大事。子どもたちがイメージしやすいように、まず、絵本「だいじ だいじ どーこだ」を読みました。

今回のテーマは「自分を守る」

子どもたちには、プライベートゾーンは「水着で隠れる場所(胸・おしり・性器)と口」と覚えてもらいました。

そして

①プライベートゾーンは自分だけのもの。人に見せたりさわらせたりしない。お風呂でも自分で洗えるようになりましょう。(ウンチを失敗した時や、病気やけがで、お医者様に見てもらうときは別です)人の前では、見たりさわったりしません。

②嫌な時は「いやだ」と言っていい。「いやだ」と言って相手が怒ったとしても、あなたは悪くない。「いやだ」の声が出ないときは、逃げて。そして、嫌だったことを、安心できるお家の人や先生に知らせて。

③自分だけでなく、周りの人(もちろん大人に対しても)のプライベートゾーンも大事にする(侵害してはいけない)。

の3つの約束をしました。

自分のからだも大事!お友だちのからだも大事!!みんなで守っていけるといいなと願いをこめて、お話しました。子どもたちも真剣に聞いてくれて、一人ひとりが考えてくれたようです。

この世界に生まれてきたこと、それだけでみんなすごい。自分も、みんなも、だいじ、だいじ。

園では人権尊重の観点からも、

・排泄援助などでズボンや下着を下ろすときやオムツ交換の際、小さな子にもまず声をかける(0・1・2・3歳児)

・お泊り会の入浴、入浴前後の着替え、その他活動の着替えの際、配慮する(特に年長)

・内科検診で並ぶときは、下着(またはスモック・体操服)を着用させる

・集団でトイレを使用する際は、不適切なやりとりがないか、職員が見守る

といった配慮をしていきます。

カンチョーやズボンおろし、スカートめくりなど、「こどもがすることだから」「ちょっとやんちゃがすぎただけかなぁ」と周囲の大人が容認してしまうことがありますが、このような性的嫌がらせは、プライベートゾーンの侵害です。見逃さずに家庭でもプライベートゾーンについて「だいじ だいじ だったよね。」とフィードバックをお願いします。

この世界に生まれてきたこと、それだけでみんなすごい。自分も、みんなも、だいじ、だいじ。

最後に、万が一、ひとりで悩んでいたり、誰にも相談できずに困ったときは相談窓口に電話やチャットをしてみましょうと、「だいじ だいじ どーこだ」の絵本の中で紹介されていた相談窓口を記しておきます。

・児童虐待相談ダイヤル 189(いちはやく)24時間365日無料

・性犯罪・性暴力被害者のためのワンストップ支援センター#8891(はやくワンストップ)

・性暴力に関するSNS相談CureTime 毎日午後5時~9時 チャットで相談 https://curetime.jp/

・チャイルドライン(18歳までの子ども専用ダイヤル)0120-99-7777毎日午後4時~9時(年末年始は休み)無料  チャット相談もありますhttp://childline.or.jp/

・よりそいホットライン 0120-279-338 24時間365日無料

・子どもの人権110番 0120-007-110 月~金曜日 午前8時30分~午後5時15分 無料メールでの相談もありますhttp://www.jinken.go.jp/         

※いずれも、名前や連絡先・学校名を言わなくても相談できます。

※秘密は守られます。

※公衆電話からかけるときは最初にお金を入れてください。話し終わるとお金が戻ってきます。

ブログ一覧に戻る